甲状腺に達した下咽頭魚骨異物の1例

咽頭異物は耳鼻咽喉科外来において高頻度に遭遇する疾患である.中でも魚骨は高い割合を占める.今回我々は下咽頭輪状後部から甲状腺まで到達した魚骨異物の1例を経験したので報告する.症例は87歳の女性で魚を食べたあとからの咽頭痛があり,近医歯科受診後に当科紹介受診した.咽喉頭内視鏡で下咽頭輪状後部に魚骨の一部を認め摘出を試みたが,嚥下運動により確認できなくなってしまった.CT検査を行ったところ,下咽頭輪状後部から気管左外側を通り甲状腺に達する線状の異物を認めた.同日全身麻酔下でのラリンゴマイクロサージェリーで摘出した.CT検査で異物の有無を確認し,早急に手術を行ったことで頸部膿瘍への進展や気管切開術に...

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Published in口腔・咽頭科 Vol. 32; no. 1; pp. 61 - 65
Main Authors 内山, 広大, 山田, 大貴, 橋本, 雄一, 瀧澤, 義徳, 竹内, 一隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 2019
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ISSN0917-5105
1884-4316
DOI10.14821/stomatopharyngology.32.61

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Summary:咽頭異物は耳鼻咽喉科外来において高頻度に遭遇する疾患である.中でも魚骨は高い割合を占める.今回我々は下咽頭輪状後部から甲状腺まで到達した魚骨異物の1例を経験したので報告する.症例は87歳の女性で魚を食べたあとからの咽頭痛があり,近医歯科受診後に当科紹介受診した.咽喉頭内視鏡で下咽頭輪状後部に魚骨の一部を認め摘出を試みたが,嚥下運動により確認できなくなってしまった.CT検査を行ったところ,下咽頭輪状後部から気管左外側を通り甲状腺に達する線状の異物を認めた.同日全身麻酔下でのラリンゴマイクロサージェリーで摘出した.CT検査で異物の有無を確認し,早急に手術を行ったことで頸部膿瘍への進展や気管切開術に至らなかったと考えられた.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology.32.61