S状結腸憩室炎による結腸膣瘻の1例
症例は75歳,女性.既往として33年前に子宮筋腫に対し子宮全摘術が施行されていた.外陰部の鈍痛と帯下への便混入を主訴に近医を受診し,精査加療目的で当院に紹介となった.内視鏡検査でS状結腸に多発する憩室を認め,注腸造影検査ではS状結腸から膣に向かう瘻孔が確認された.以上よりS状結腸憩室炎による結腸膣瘻と診断し,瘻孔切除及びS状結腸部分切除を施行した.術後1年が経過しているが,現在まで再発なく経過している.結腸憩室症の合併症として膀胱瘻の報告は散見されるが,結腸膣瘻は稀と思われたので若干の文献的考察を加えて報告する....
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 11; pp. 3380 - 3383 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2009
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.70.3380 |
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Summary: | 症例は75歳,女性.既往として33年前に子宮筋腫に対し子宮全摘術が施行されていた.外陰部の鈍痛と帯下への便混入を主訴に近医を受診し,精査加療目的で当院に紹介となった.内視鏡検査でS状結腸に多発する憩室を認め,注腸造影検査ではS状結腸から膣に向かう瘻孔が確認された.以上よりS状結腸憩室炎による結腸膣瘻と診断し,瘻孔切除及びS状結腸部分切除を施行した.術後1年が経過しているが,現在まで再発なく経過している.結腸憩室症の合併症として膀胱瘻の報告は散見されるが,結腸膣瘻は稀と思われたので若干の文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.70.3380 |