大学生における友人関係の類型と,適応及び自己の諸側面の発達の関連について

本研究は大学生の友人関係の特徴と適応および自己像の関係を検討したものである。本研究では以下の変数について調査が行われた。友人関係,自己愛傾向,境界性人格障害傾向,自尊感情,現実自己像,理想自己像である。青年の友人関係のパターンを見出すためクラスタ分析により回答者を分類した。その結果,以下のような結果が得られた。1) 内面的な友人関係を取る青年群は,病理的自己愛や境界性人格障害傾向が低く,自尊感情得点が高いなど適応的であり,また社会的側面における現実・理想自己像間の差得点と自尊感情得点の間に負の相関関係が見られた。2) 現代的な友人関係を取る青年群は,不適応的で,身体的,活動的,社会的側面につい...

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Published inパーソナリティ研究 Vol. 15; no. 2; pp. 135 - 148
Main Author 岡田, 努
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本パーソナリティ心理学会 01.01.2007
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Summary:本研究は大学生の友人関係の特徴と適応および自己像の関係を検討したものである。本研究では以下の変数について調査が行われた。友人関係,自己愛傾向,境界性人格障害傾向,自尊感情,現実自己像,理想自己像である。青年の友人関係のパターンを見出すためクラスタ分析により回答者を分類した。その結果,以下のような結果が得られた。1) 内面的な友人関係を取る青年群は,病理的自己愛や境界性人格障害傾向が低く,自尊感情得点が高いなど適応的であり,また社会的側面における現実・理想自己像間の差得点と自尊感情得点の間に負の相関関係が見られた。2) 現代的な友人関係を取る青年群は,不適応的で,身体的,活動的,社会的側面について,現実自己像と理想自己像の差得点と自尊感情の間に負の相関関係が見られたが,心理的側面との間では相関関係は見られなかった。
ISSN:1348-8406
1349-6174
DOI:10.2132/personality.15.135