乳酸菌飲料水が歯牙におよぼす影響についての組織学的研究

嗜好性飲料水の消費量は, 年々増加の傾向を示しており1), その種類も数多く, 各種果汁飲料水, 炭酸飲料水, 乳酸菌飲料水たどがある. この中で, 特に乳幼児に最もよく飲用されているのが乳酸菌飲料水でヤクルト(生菌乳酸菌飲料水)とカルピス(殺菌乳酸菌飲料水)である. これら乳酸菌飲料水の摂取は生後6か月前後から始まり, 月齢が進むに従って乳幼児の摂取率は高くなることが, すでに報告されている2). また, 今日問題にされている小児鶴触の増加の一因として, 乳幼児期に哺乳瓶による各種飲料水の摂取があげられている2~7). 三浦ら(1974)5)は, 乳幼児が哺乳瓶を長時間くわえたままでいたり,...

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Published in昭和歯学会雑誌 Vol. 9; no. 3; pp. 251 - 260
Main Author 東, 昇平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学・昭和歯学会 1989
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Summary:嗜好性飲料水の消費量は, 年々増加の傾向を示しており1), その種類も数多く, 各種果汁飲料水, 炭酸飲料水, 乳酸菌飲料水たどがある. この中で, 特に乳幼児に最もよく飲用されているのが乳酸菌飲料水でヤクルト(生菌乳酸菌飲料水)とカルピス(殺菌乳酸菌飲料水)である. これら乳酸菌飲料水の摂取は生後6か月前後から始まり, 月齢が進むに従って乳幼児の摂取率は高くなることが, すでに報告されている2). また, 今日問題にされている小児鶴触の増加の一因として, 乳幼児期に哺乳瓶による各種飲料水の摂取があげられている2~7). 三浦ら(1974)5)は, 乳幼児が哺乳瓶を長時間くわえたままでいたり, 長時間くわえたまま眠らした場合, 口腔内の状況は, すでに萌出している乳歯が飲料水中に長時間浸漬された状態にあることを指摘している. しかし, これまでの報告では, 歯質そのものの変化を組織学的に詳細に観察した報告はみられない.
ISSN:0285-922X
2186-5396
DOI:10.11516/dentalmedres1981.9.251