Granulocyte-colony stimulating factorおよびalpha-fetoprotein産生胃癌の1例

症例は76歳の男性で,ふらつきと全身倦怠感を主訴に来院され,上部消化管内視鏡検査にて胃前庭部大彎側に2型胃癌を認めた.術前の白血球数は33,150/μl,血清granulocyte-colony stimulating factor(以下,G-CSFと略記)値は659 pg/ml,alpha-fetoprotein(以下,AFPと略記)値は171.2 ng/mlと高値であった.幽門側胃切除術および横行結腸間膜合併切除術を施行した.病理組織学的所見は,pap,pT3,pN2,M0,Stage IIIAであり,抗G-CSF抗体および抗AFP抗体を用いた免疫組織染色検査は陽性であった.術後7日目の白...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 51; no. 11; pp. 680 - 687
Main Authors 小森, 徹也, 村元, 雅之, 長谷川, 毅, 杉戸, 伸好, 保里, 惠一, 松尾, 洋一, 竹山, 廣光, 溝口, 良順
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.11.2018
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Summary:症例は76歳の男性で,ふらつきと全身倦怠感を主訴に来院され,上部消化管内視鏡検査にて胃前庭部大彎側に2型胃癌を認めた.術前の白血球数は33,150/μl,血清granulocyte-colony stimulating factor(以下,G-CSFと略記)値は659 pg/ml,alpha-fetoprotein(以下,AFPと略記)値は171.2 ng/mlと高値であった.幽門側胃切除術および横行結腸間膜合併切除術を施行した.病理組織学的所見は,pap,pT3,pN2,M0,Stage IIIAであり,抗G-CSF抗体および抗AFP抗体を用いた免疫組織染色検査は陽性であった.術後7日目の白血球数は6,530/μl,血清G-CSF値は42.7 pg/ml,AFP値は37.9 ng/mlと低下を認めた.免疫組織学的検査にG-CSFおよびAFP産生胃癌を証明した報告がなく,本症例が初めての報告である.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2017.0033