尿路変向を伴う泌尿器科術後に尿管が原因となって内ヘルニアを来した1例

症例は39歳の男性で,骨盤内solitary fibrous tumorに対して腫瘍膀胱前立腺合併切除,代用膀胱造設術を施行された.術後12日目より腸閉塞を発症し,精査の結果,腹腔内に遊離された左尿管を原因とする内ヘルニアと診断したため,同22日目に再手術を施行した.術中所見では,左傍結腸溝に突出した左尿管がヘルニア門となり,同部位に小腸係蹄が陥入していた.内ヘルニアを解除し,尿管を大網で被覆して手術を終了した.術後経過は良好で,再手術後32日目に退院した.尿管が原因となった,極めてまれな内ヘルニアの症例を経験した....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 52; no. 10; pp. 605 - 610
Main Authors 横江, 隆道, 北川, 雄光, 前田, 祐助, 長谷川, 博俊, 松岡, 信成, 岡林, 剛史, 蛭川, 和也, 鶴田, 雅士, 石田, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.10.2019
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.2018.0125

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Summary:症例は39歳の男性で,骨盤内solitary fibrous tumorに対して腫瘍膀胱前立腺合併切除,代用膀胱造設術を施行された.術後12日目より腸閉塞を発症し,精査の結果,腹腔内に遊離された左尿管を原因とする内ヘルニアと診断したため,同22日目に再手術を施行した.術中所見では,左傍結腸溝に突出した左尿管がヘルニア門となり,同部位に小腸係蹄が陥入していた.内ヘルニアを解除し,尿管を大網で被覆して手術を終了した.術後経過は良好で,再手術後32日目に退院した.尿管が原因となった,極めてまれな内ヘルニアの症例を経験した.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2018.0125