装いとしてのマスク――女性における半強制的状況下の着用で生じたおしゃれ嗜好の背景要因

「問題と目的」新型コロナウイルス(COVID-19)流行下の生活においては様々な行動の変化が生じており, その行動変化の一つに日常でのマスク着用が挙げられる. 感染予防のためのマスク着用は, 政府からの着用のお願い(e.g., 厚生労働省, 2020)もあり, 着用すべきか否かといった議論もありながらも, 多くの者がおこなうものとなった. このマスク着用については, 化粧の妨げになっているという報告(e.g., 鈴木, 2020a)があるものの, 様々な色のマスクが選択されるなどマスク自体を装いとして楽しんでいることが伺える報告(e.g., 株式会社プラネット, 2020)もある. このマスク...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inパーソナリティ研究 Vol. 32; no. 2; pp. 99 - 101
Main Author 鈴木, 公啓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本パーソナリティ心理学会 04.10.2023
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「問題と目的」新型コロナウイルス(COVID-19)流行下の生活においては様々な行動の変化が生じており, その行動変化の一つに日常でのマスク着用が挙げられる. 感染予防のためのマスク着用は, 政府からの着用のお願い(e.g., 厚生労働省, 2020)もあり, 着用すべきか否かといった議論もありながらも, 多くの者がおこなうものとなった. このマスク着用については, 化粧の妨げになっているという報告(e.g., 鈴木, 2020a)があるものの, 様々な色のマスクが選択されるなどマスク自体を装いとして楽しんでいることが伺える報告(e.g., 株式会社プラネット, 2020)もある. このマスク着用は, 半強制的かつ本来は衛生用品という性質を有しているものの, おしゃれを好むという特徴(おしゃれ嗜好)の反映がなされていることがうかがえる. 例えば, 不織布以外のマスクを着用する理由として, おしゃれであることなどが挙げられており(クロスプラス株式会社, 2021), 人々が身体の装飾のアイテムとしてマスクを利用していることが示唆される.
ISSN:1348-8406
1349-6174
DOI:10.2132/personality.32.2.9