感謝の生起促進に関係する集団環境を選手がどのように認知しているのか

「緒言」感謝とは, 自分以外の存在から恩恵を受けた際に生じる感情やその感情の表出行動のことである (岩崎・五十嵐, 2014 ; 蔵永・樋口, 2011) . 感謝の定義には, "ありがたい" や "嬉しい" といったポジティブな感情体験に焦点を当てた定義 (Tsang, 2006) や, "すまない" や "申し訳ない" といったネガティブな感情体験も含めた定義 (池田幸恭, 2017 ; 蔵永・樋口, 2011) など複数の定義が存在する. 本研究では, 多角的な側面からの議論を促進することによって有益な知見が...

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Published inスポーツ心理学研究 Vol. 49; no. 2; pp. 123 - 135
Main Authors 久保, 昂大, 當山, 貴弘, 八尋, 風太, 杉山, 佳生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本スポーツ心理学会 30.09.2022
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Summary:「緒言」感謝とは, 自分以外の存在から恩恵を受けた際に生じる感情やその感情の表出行動のことである (岩崎・五十嵐, 2014 ; 蔵永・樋口, 2011) . 感謝の定義には, "ありがたい" や "嬉しい" といったポジティブな感情体験に焦点を当てた定義 (Tsang, 2006) や, "すまない" や "申し訳ない" といったネガティブな感情体験も含めた定義 (池田幸恭, 2017 ; 蔵永・樋口, 2011) など複数の定義が存在する. 本研究では, 多角的な側面からの議論を促進することによって有益な知見が得られる可能性があることを考慮し, 感謝という概念を包括的な概念として捉えた「日常生活において, 個人が価値のあるものを受け取ったときや, 現在の生活を充実させている環境, 既に在るものや所有しているものを意識することによって, 提供してくれた対象や存在していることに対して抱く複合的な感情およびそれに伴う表出行動」という岩崎・五十嵐 (2014, p.57) の定義を採用する.
ISSN:0388-7014
1883-6410
DOI:10.4146/jjspopsy.2022-2016