穿頭術用プローブを用いた脳神経外科術中超音波診断

脳神経外科穿頭術は, 4~5cmの皮膚切開を行い頭蓋骨に直径1.5cmほどの穴をあけ, その部位のみで硬膜を切開し, さまざまな疾患に対して行う手術である. 大きな皮膚切開と幅数センチメートル以上の頭蓋骨をはずす必要がある開頭術に比べ, 低侵襲で, 慢性硬膜下血腫など局所麻酔下でも行われるものである. しかし, 低侵襲だから容易というのは間違った考えであり, 時に脳深部にある幅数センチメートル以下の病変に穿刺するなど, 高い技術を必要とすることもある. われわれ脳神経外科医が, 常に確実性と安全性を追求するのはいうに及ばないことであり, 永遠の脇役ながらその一翼を担う術中超音波診断は重要と考え...

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Published inNeurosonology Vol. 29; no. 3; pp. 175 - 177
Main Authors 貞廣, 浩和, 鈴木, 倫保
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Kurashiki 一般社団法人日本脳神経超音波学会 2016
日本脳神経超音波学会
Japan Science and Technology Agency
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Summary:脳神経外科穿頭術は, 4~5cmの皮膚切開を行い頭蓋骨に直径1.5cmほどの穴をあけ, その部位のみで硬膜を切開し, さまざまな疾患に対して行う手術である. 大きな皮膚切開と幅数センチメートル以上の頭蓋骨をはずす必要がある開頭術に比べ, 低侵襲で, 慢性硬膜下血腫など局所麻酔下でも行われるものである. しかし, 低侵襲だから容易というのは間違った考えであり, 時に脳深部にある幅数センチメートル以下の病変に穿刺するなど, 高い技術を必要とすることもある. われわれ脳神経外科医が, 常に確実性と安全性を追求するのはいうに及ばないことであり, 永遠の脇役ながらその一翼を担う術中超音波診断は重要と考えられる. 2000年初頭に, 穿頭術用プローブを用いた超音波ガイド下での脳室・嚢胞・膿瘍穿刺が, ドイツのグループより報告されている. われわれも日立アロカメディカル製, 穿頭術用プローブを愛用している.
ISSN:0917-074X
1884-3336
DOI:10.2301/neurosonology.29.175