神経内科医から見た神経眼科 ~神経眼科医が知っておきたい多発性硬化症の最新知見
「I. はじめに」神経内科医と神経眼科医が協力し診察, 治療していかねばならない代表疾患のひとつに多発性硬化症(multiple sclerosis;MS)が挙げられる. このMSの診断や治療については最近, 進歩がみられ, 特に, 後述のフィンゴリモド内服治療においては神経眼科医のかかわりが絶対的となった. 今回, 本稿では, 神経内科医から神経眼科医に最低限知っておいていただきたいMSの最近の知見について総説的に論じてみた. 「II. MSの診断基準について」神経内科医によるMSの確定診断は, 現在においても, 2001年に発表され, 2005年に改訂が加えられたMcDonald診断基準や...
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Published in | Neuro-Ophthalmology Japan Vol. 31; no. 2; pp. 222 - 232 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経眼科学会
2014
The Japanese Neuro-Ophthalmology Society |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0289-7024 2188-2002 |
DOI | 10.11476/shinkeiganka.31.222 |
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Summary: | 「I. はじめに」神経内科医と神経眼科医が協力し診察, 治療していかねばならない代表疾患のひとつに多発性硬化症(multiple sclerosis;MS)が挙げられる. このMSの診断や治療については最近, 進歩がみられ, 特に, 後述のフィンゴリモド内服治療においては神経眼科医のかかわりが絶対的となった. 今回, 本稿では, 神経内科医から神経眼科医に最低限知っておいていただきたいMSの最近の知見について総説的に論じてみた. 「II. MSの診断基準について」神経内科医によるMSの確定診断は, 現在においても, 2001年に発表され, 2005年に改訂が加えられたMcDonald診断基準や2003年に発表された厚生労働省免疫性神経疾患調査研究班によるMS診断基準をもとに, その特徴的な臨床症状の時間的多発(dissemination of lesions in time;DIT)と空間的多発(dissemination of lesions in space;DIS)の証明と他疾患(腫瘍, 梅毒, 脳血管障害, 頸椎症性ミエロパチー, スモン, 脊髄空洞症, 脊髄小脳変性症, HTLV-1-associated myelopathy, 膠原病, Sjogren症候群, 神経Behcet病, 神経サルコイドーシス, ミトコンドリア脳筋症, 進行性多巣性白質脳症, 視神経脊髄炎など)の否定をもって行われている. |
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ISSN: | 0289-7024 2188-2002 |
DOI: | 10.11476/shinkeiganka.31.222 |