オリーブ農園におけるオリーブアナアキゾウムシ忌避剤の実証試験

「緒言」オリーブアナアキゾウムシ Pimelocerus (Dyscerus) perforatus Roelofsは, 20世紀初頭に欧米から日本に輸入・移植されたオリーブ Olea europaea Linneに寄主することから認知され命名された, 日本に古来より生息している甲虫である. 近年, オリーブオイル市場の拡大に伴い, 日本各地でオリーブ栽培が試みられるものの, オリーブアナアキゾウムシによる食害が, オリーブ栽培を阻む最も大きな障害となっている. オリーブアナアキゾウムシのメスの成虫は, 1日に1個, 生涯に数十から数百個の卵をオリーブの樹皮下に産卵し, 艀化した幼虫は形成層に...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 144; no. 6; pp. 675 - 683
Main Authors 光本, 篤史, 山崎, 研
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.06.2024
日本薬学会
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Summary:「緒言」オリーブアナアキゾウムシ Pimelocerus (Dyscerus) perforatus Roelofsは, 20世紀初頭に欧米から日本に輸入・移植されたオリーブ Olea europaea Linneに寄主することから認知され命名された, 日本に古来より生息している甲虫である. 近年, オリーブオイル市場の拡大に伴い, 日本各地でオリーブ栽培が試みられるものの, オリーブアナアキゾウムシによる食害が, オリーブ栽培を阻む最も大きな障害となっている. オリーブアナアキゾウムシのメスの成虫は, 1日に1個, 生涯に数十から数百個の卵をオリーブの樹皮下に産卵し, 艀化した幼虫は形成層に沿って樹幹の材部を食することで生長する. 同じオリーブ樹に複数の幼虫が誕生すると成木でも枯死するほど壊滅的な被害をもたらすことから, オリーブ栽培者にとってオリーブアナアキゾウムシ対策は最も大きな課題となっている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.24-00031