床加温環境における姿勢の違いが人体へ及ぼす影響
姿勢の違いに着目し, 人体の熱収支を定量的に取り扱ったうえで, 人体下方からの加温が人体に与える影響を比較検討する実験がおこなわれた.実験には気温 (ta) が24, 26, 28℃の3段階の条件と床表面温 (tf) が気温と等しい温度 (tf=ta) , 31, 35℃の3段階の条件とを組み合わせた温熱環境条件が設定された.実験に用いられた姿勢は, 生活空間でとられる立位と椅座位, 正座位, 胡座位, 横座位, 立て膝位, 投げ足位, 側臥位の8種類であった.人体と床面との接触部からの熱伝導をほぼ無視可能な姿勢と, 考慮する必要のある姿勢別に, 床面との接触面積比率が大きいほど修正平均皮膚温...
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Published in | 日本生気象学会雑誌 Vol. 36; no. 1; pp. 3 - 19 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本生気象学会
01.04.1999
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Subjects | |
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ISSN | 0389-1313 1347-7617 |
DOI | 10.11227/seikisho1966.36.3 |
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Summary: | 姿勢の違いに着目し, 人体の熱収支を定量的に取り扱ったうえで, 人体下方からの加温が人体に与える影響を比較検討する実験がおこなわれた.実験には気温 (ta) が24, 26, 28℃の3段階の条件と床表面温 (tf) が気温と等しい温度 (tf=ta) , 31, 35℃の3段階の条件とを組み合わせた温熱環境条件が設定された.実験に用いられた姿勢は, 生活空間でとられる立位と椅座位, 正座位, 胡座位, 横座位, 立て膝位, 投げ足位, 側臥位の8種類であった.人体と床面との接触部からの熱伝導をほぼ無視可能な姿勢と, 考慮する必要のある姿勢別に, 床面との接触面積比率が大きいほど修正平均皮膚温もより高くなる結果が得られた.修正平均皮膚温と修正作用温度との関係は, 姿勢毎に異なる回帰式が求められ, その差は無視し難いものであった.また, 全身温冷感と修正作用温度との関係についても同様な結果が示された.したがって, 日本の生活空間では, 姿勢別に温熱環境評価をする必要性が明確になった. |
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ISSN: | 0389-1313 1347-7617 |
DOI: | 10.11227/seikisho1966.36.3 |