廃棄物発電ボイラにおけるステンレス鋼の高温腐食減肉特性

廃棄物発電ボイラの高温高圧化は高効率発電が可能となる一方,過熱器管の腐食減肉リスクに対する情報が乏しいため,導入がなかなか進んでいないのが現状である。 実炉環境における材料の腐食耐久性の評価をするには,数千時間の曝露試験が必要となるため時間的,費用的な面から数多くのデータを得ることは難しい。こういった状況から,従来の試験に比べて短時間で材料の腐食量を評価できる新たな試験手法を確立し,この手法を用いて実炉環境でのさまざまな曝露温度環境 (ガス温度,金属温度) 下におけるステンレス鋼SUS310J1の減肉特性を調べた。 その結果,SUS310J1の減肉量は,ガス温度が 550 ℃ より低い領域では...

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Published inJournal of the Japan Society of Material Cycles and Waste Management Vol. 27; pp. 92 - 105
Main Authors 竹田, 航哉, 菅田, 雅裕, 前川, 勇, 下村, 育生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tokyo 一般社団法人 廃棄物資源循環学会 2016
Japan Science and Technology Agency
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Summary:廃棄物発電ボイラの高温高圧化は高効率発電が可能となる一方,過熱器管の腐食減肉リスクに対する情報が乏しいため,導入がなかなか進んでいないのが現状である。 実炉環境における材料の腐食耐久性の評価をするには,数千時間の曝露試験が必要となるため時間的,費用的な面から数多くのデータを得ることは難しい。こういった状況から,従来の試験に比べて短時間で材料の腐食量を評価できる新たな試験手法を確立し,この手法を用いて実炉環境でのさまざまな曝露温度環境 (ガス温度,金属温度) 下におけるステンレス鋼SUS310J1の減肉特性を調べた。 その結果,SUS310J1の減肉量は,ガス温度が 550 ℃ より低い領域では試験片温度が 350~450 ℃ 程度にかけてほぼ変わらない,または 400 ℃ 付近に極大値をとる傾向にあり,ガス温度 550 ℃ 以上の領域では試験片温度が 450 ℃ 程度より高くなるにつれて,急激に増加することを明らかにした。
ISSN:1883-5856
1883-5899
DOI:10.3985/jjsmcwm.27.92