長期生存が得られた腹膜播種を伴う虫垂goblet cell adenocarcinomaの1例

症例は69歳の女性で,腸閉塞を繰り返し,腹部CTにて回盲部腫瘍による回腸末端部の狭窄が疑われた.手術所見では,回盲部は一塊腫瘤状になっており,腹腔内全体に無数の腹膜播種結節を認め,回盲部切除+D1郭清を施行した.病理組織検査にて虫垂原発goblet cell adenocarcinoma(以下,GCAと略記)および腹膜播種と診断した.術後は大腸癌に準じた化学療法を施行され,術後4年2か月の長期生存が得られた.虫垂GCAに対する化学療法や腹膜播種の長期生存例についての報告は少ないため,この症例を報告する....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 55; no. 3; pp. 207 - 216
Main Authors 中山, 洋, 植田, 宏治, 斉藤, 誠, 香川, 聖子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.03.2022
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:症例は69歳の女性で,腸閉塞を繰り返し,腹部CTにて回盲部腫瘍による回腸末端部の狭窄が疑われた.手術所見では,回盲部は一塊腫瘤状になっており,腹腔内全体に無数の腹膜播種結節を認め,回盲部切除+D1郭清を施行した.病理組織検査にて虫垂原発goblet cell adenocarcinoma(以下,GCAと略記)および腹膜播種と診断した.術後は大腸癌に準じた化学療法を施行され,術後4年2か月の長期生存が得られた.虫垂GCAに対する化学療法や腹膜播種の長期生存例についての報告は少ないため,この症例を報告する.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2020.0164