Segmental arterial mediolysisの治療
目的:Segmental arterial mediolysis(以下,SAMと略記)の治療選択肢は多様化してきており,治療法の変遷と選択について検討した.方法:当院12例;2008年から2015年までにSAMと診断された症例について集計を行った.本邦症例報告100例;2004年から2016年までに医学中央雑誌に掲載された症例の検討を行った.結果:当院12例;年齢は中央値69(47~92)歳,男女比は6:6であった.主病変血管は肝動脈,胃大網動脈が3例ずつであった.単発10例,多発2例であった.治療法はTAE 8例,手術2例,治療不能1例,経過観察1例であった.在院日数は中央値23(10~16...
Saved in:
Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 52; no. 7; pp. 345 - 357 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.07.2019
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.2018.0088 |
Cover
Summary: | 目的:Segmental arterial mediolysis(以下,SAMと略記)の治療選択肢は多様化してきており,治療法の変遷と選択について検討した.方法:当院12例;2008年から2015年までにSAMと診断された症例について集計を行った.本邦症例報告100例;2004年から2016年までに医学中央雑誌に掲載された症例の検討を行った.結果:当院12例;年齢は中央値69(47~92)歳,男女比は6:6であった.主病変血管は肝動脈,胃大網動脈が3例ずつであった.単発10例,多発2例であった.治療法はTAE 8例,手術2例,治療不能1例,経過観察1例であった.在院日数は中央値23(10~165)日であった.在院死は2例で,退院後他病死が2例であった.8例は健在で1例に8か月後に他部位に再発を認めた.本邦症例報告100例;年齢中央値57(32~88)歳,男女比7:3であった.病変血管は,中結腸動脈が最も多かった.治療方法の内訳は手術52例,TAE 38例,経過観察10例であった.治療方法の時代変遷は2011年以降TAEと手術はほぼ同等になっていた.これらの比較検討では,non-responder,動脈瘤径が大きなものが有意に手術を,膵十二指腸動脈の病変は有意にTAEが選択されていた.再発,在院日数に有意差はなかった.結語:SAMの治療は,患者の全身状態と病変部位,病態を把握し,個々の症例に応じた適切な治療法を選択,施行することが重要であると考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.2018.0088 |