頸部リンパ節転移再発に対し二次治療が著効し病理学的完全奏効を得たRAS/BRAF V600E変異型横行結腸癌の1例

今日,進行再発大腸癌治療において遺伝子検査は必要不可欠なものとなっている.中でもBRAF V600E変異症例の予後は極めて不良と報告され,その治療選択に悩むことは少なくない.今回,オキサリプラチンベースの術後補助化学療法が終了した直後の術後9か月の早期に,頸部リンパ節再発を来し,BRAF V600E変異型で予後不良が予測された症例に対し,二次治療としてのFOLFIRI+aflibercept療法が著効し,切除により病理学的完全奏効を確認した1例を経験した.術後経過観察期間は9か月とまだ短いが,外来で無再発,無治療で経過観察中である.予後不良とされるBRAF V600E変異型であっても野生型と同...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 54; no. 4; pp. 278 - 284
Main Authors 宮田, 一志, 相場, 利貞, 小倉, 淳司, 大原, 規彰, 江畑, 智希, 神野, 孝徳, 村田, 悠記, 上原, 圭, 田中, 綾, 深谷, 昌秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.04.2021
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.2020.0057

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Summary:今日,進行再発大腸癌治療において遺伝子検査は必要不可欠なものとなっている.中でもBRAF V600E変異症例の予後は極めて不良と報告され,その治療選択に悩むことは少なくない.今回,オキサリプラチンベースの術後補助化学療法が終了した直後の術後9か月の早期に,頸部リンパ節再発を来し,BRAF V600E変異型で予後不良が予測された症例に対し,二次治療としてのFOLFIRI+aflibercept療法が著効し,切除により病理学的完全奏効を確認した1例を経験した.術後経過観察期間は9か月とまだ短いが,外来で無再発,無治療で経過観察中である.予後不良とされるBRAF V600E変異型であっても野生型と同様に一定の全身コントロールが可能であれば,転移巣切除を考慮する意義はあると考えられた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2020.0057