ラットの脊髄前角細胞と下肢骨格筋線維の分化に関する組織化学的研究

生後1, 3, 5, 7, 9, 11, 13, 15, 17, 19, 21日齢のウィスター系雄ラット計55匹を用いて, 脊髄神経細胞ならびに下肢骨格筋線維の組織化学的な分化過程について検討を試みた. 1.生下時における筋組織は, すべて未分化な筋線維から構成されており, これらの筋線維は発育にともない生後7~11日齢に速筋, 遅筋線維に分化することが認められた. さらに生後15日齢より速筋線維はFG, FOG線維に, また遅筋線維はSO線維に分化することが確認された. 2.脊髄神経細胞については, 生後7日齢に組織化学的な分化が認められ, その後の発育にともなう構成比の変化はみられなかった...

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Published in体力科学 Vol. 34; no. 2; pp. 98 - 107
Main Authors 石原, 昭彦, 志手, 典之, 勝田, 茂, 藤田, 紀盛
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 一般社団法人日本体力医学会 1985
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Summary:生後1, 3, 5, 7, 9, 11, 13, 15, 17, 19, 21日齢のウィスター系雄ラット計55匹を用いて, 脊髄神経細胞ならびに下肢骨格筋線維の組織化学的な分化過程について検討を試みた. 1.生下時における筋組織は, すべて未分化な筋線維から構成されており, これらの筋線維は発育にともない生後7~11日齢に速筋, 遅筋線維に分化することが認められた. さらに生後15日齢より速筋線維はFG, FOG線維に, また遅筋線維はSO線維に分化することが確認された. 2.脊髄神経細胞については, 生後7日齢に組織化学的な分化が認められ, その後の発育にともなう構成比の変化はみられなかった. これらのことから, 神経細胞の組織化学的な分化時期は筋線維の分化時期より早く, したがって単一神経支配様式の確立後における筋線維の分化は, 支配神経細胞の特性により規定されているものと推察される.
ISSN:0039-906X
1881-4751
DOI:10.7600/jspfsm1949.34.98