ITPとOsler-Rendu-Weber病を併発した乳癌の1例

Osler-Rendu-Weber病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)は常染色体優性遺伝による稀な遺伝性疾患で,鼻出血,毛細血管拡張,内臓病変,遺伝性を疑わせる家族歴のうち3項目が存在する場合に確定診断される.癌との関連は示唆されてはいないが症例報告が散見される. 今回われわれは珍しい病態であるOsler病と特発性血小板減少性紫斑病(ITP)を合併した乳癌患者で,喘息と心房細動(Af)と肥満も合併した貴重な症例を経験したので報告する. 症例は73歳,女性.右乳房のしこりを主訴に外科紹介受診した.ITPを合併しており,ピロリ菌の除菌治療中であった.Osler病で喘息と肥満,Afを合併していた.右乳癌...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 6; pp. 1400 - 1404
Main Authors 下代, 玲奈, 玄, 東吉, 岡本, 浩之, 宇田川, 勝, 谷畑, 英一, 稲留, 征典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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Summary:Osler-Rendu-Weber病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)は常染色体優性遺伝による稀な遺伝性疾患で,鼻出血,毛細血管拡張,内臓病変,遺伝性を疑わせる家族歴のうち3項目が存在する場合に確定診断される.癌との関連は示唆されてはいないが症例報告が散見される. 今回われわれは珍しい病態であるOsler病と特発性血小板減少性紫斑病(ITP)を合併した乳癌患者で,喘息と心房細動(Af)と肥満も合併した貴重な症例を経験したので報告する. 症例は73歳,女性.右乳房のしこりを主訴に外科紹介受診した.ITPを合併しており,ピロリ菌の除菌治療中であった.Osler病で喘息と肥満,Afを合併していた.右乳癌の診断で全身麻酔下で右乳房切除術施行した.併存疾患で手術困難と思われたが術後経過良好で,現在も外来通院中である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.1400