高校生の食事摂取行動に関わる構造モデル 食・栄養知識,食・生活習慣セルフエフィカシー,食行動変容ステージとの関連
【目的】高校生の食・栄養知識と食・生活習慣セルフエフィカシー,食行動変容ステージ及び食事摂取状況における因果構造的な関連を検証する。【方法】兵庫県A市の公立高等学校に在籍する2021年度2年生278名のうち,回答が得られた254名を対象とした。食・栄養知識は中学校で学習する15項目の尺度を用い,信頼性を確認するとともに,これが影響する観測変数として,食・生活習慣セルフエフィカシー (12項目),食行動変容ステージ (Transtheoretical Modelに基づいた5段階),食事摂取状況 (日本人の食事摂取基準をもとにスコア化) を用いた仮説モデルを立て,共分散構造分析をした。【結果】本仮...
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Published in | 栄養学雑誌 Vol. 81; no. 6; pp. 288 - 298 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
01.12.2023
日本栄養改善学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0021-5147 1883-7921 |
DOI | 10.5264/eiyogakuzashi.81.288 |
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Summary: | 【目的】高校生の食・栄養知識と食・生活習慣セルフエフィカシー,食行動変容ステージ及び食事摂取状況における因果構造的な関連を検証する。【方法】兵庫県A市の公立高等学校に在籍する2021年度2年生278名のうち,回答が得られた254名を対象とした。食・栄養知識は中学校で学習する15項目の尺度を用い,信頼性を確認するとともに,これが影響する観測変数として,食・生活習慣セルフエフィカシー (12項目),食行動変容ステージ (Transtheoretical Modelに基づいた5段階),食事摂取状況 (日本人の食事摂取基準をもとにスコア化) を用いた仮説モデルを立て,共分散構造分析をした。【結果】本仮説モデルの配置不変性を検討した結果,許容範囲の適合度が得られ (χ2=192.145,df=134,GFI=0.917,AGFI=0.851,CFI=0.955,RMSEA=0.041,AIC=404.145),男女ともに食・栄養知識が,食・生活習慣セルフエフィカシーに有意な正のパス (標準化推定値:男子0.60,女子0.55,共にp<0.001),そこから男子では食行動変容ステージへのパス (0.25,p=0.033) を介して食事摂取状況 (0.20,p=0.028) に影響を及ぼす間接効果が示された。【結論】高校2年生では,男女ともに中学校で学習する食・栄養知識が高いほど食・生活習慣セルフエフィカシーが高くなり,さらに男子では,食行動変容ステージの向上を介して,食事摂取状況に影響を及ぼす可能性が示唆された。 |
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ISSN: | 0021-5147 1883-7921 |
DOI: | 10.5264/eiyogakuzashi.81.288 |