小児側弯症患者における装具療法が腹部体幹筋力におよぼす影響

小児脊柱側弯症に対する保存的治療として装具療法が行われているが,装具装着による体幹筋力への影響に関して一定のコンセンサスは得られていない.また,装具療法導入時より前向きに検討した報告はない.本研究では,装具療法を開始する小児側弯症患者に対して腹部体幹筋力を前向きに計測し,装具療法による腹部体幹筋力と側弯症との関係性を調査した.装具療法を開始する20例に対して,開始前と6ヶ月の身長,体重などの身体測定項目,腹部体幹筋力,Cobb角を測定した.Cobb角が改善か不変であるものをStable群,進行したものをProgressive群に分類し,両群において各測定項目を比較検討した.身長,体重,BMIは...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 12; no. 11; pp. 1306 - 1310
Main Authors 奥, 規博, 出村, 諭, 加藤, 仁志, 新村, 和也, 横川, 文彬, 黒川, 由貴, 半田, 真人, 安念, 遼平, 土屋, 弘行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.11.2021
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Summary:小児脊柱側弯症に対する保存的治療として装具療法が行われているが,装具装着による体幹筋力への影響に関して一定のコンセンサスは得られていない.また,装具療法導入時より前向きに検討した報告はない.本研究では,装具療法を開始する小児側弯症患者に対して腹部体幹筋力を前向きに計測し,装具療法による腹部体幹筋力と側弯症との関係性を調査した.装具療法を開始する20例に対して,開始前と6ヶ月の身長,体重などの身体測定項目,腹部体幹筋力,Cobb角を測定した.Cobb角が改善か不変であるものをStable群,進行したものをProgressive群に分類し,両群において各測定項目を比較検討した.身長,体重,BMIは両群で有意に増加し,腹部体幹筋力はStable群で有意に増加したが,Progressive群では有意な増加を認めなかった.小児側弯症患者に対する装具療法は,腹部体幹筋力に対して負の影響を与えなかったが,装具装着中の腹部体幹筋力の変化は側弯の進行に関連している可能性が示唆された.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2021-1106