DNAハイブリダイゼーション法によるStreptococcus salivariusの特異的検出

Streptococcus salivariusのデキストラナーゼ遺伝子 (dex遺伝子) をプローブとしたDNAハイブリダイゼーション法により, 本菌の特異的検出・同定を試みた.DNAプローブにはジゴキシゲニン標識したdex断片を使用した.このプローブを口腔レンサ球菌の標準菌株 (14種25株) のゲノムDNAに対してハイブリダイズした結果, S. salivariusのみが特異的に検出され, その他の菌株は全くハイブリットを形成しなかった.また, S. salivarius精製ゲノムDNAに対するdex DNAプローブの検出感度を測定したところ1ngのゲノムDNAを検出することが可能であっ...

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Published in昭和歯学会雑誌 Vol. 20; no. 2; pp. 192 - 197
Main Authors 佐々, 龍二, 五十嵐, 武, 矢野, 雄一郎, 後藤, 延一, 伊田, 博, 山本, 綾子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学・昭和歯学会 2000
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ISSN0285-922X
2186-5396
DOI10.11516/dentalmedres1981.20.192

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Summary:Streptococcus salivariusのデキストラナーゼ遺伝子 (dex遺伝子) をプローブとしたDNAハイブリダイゼーション法により, 本菌の特異的検出・同定を試みた.DNAプローブにはジゴキシゲニン標識したdex断片を使用した.このプローブを口腔レンサ球菌の標準菌株 (14種25株) のゲノムDNAに対してハイブリダイズした結果, S. salivariusのみが特異的に検出され, その他の菌株は全くハイブリットを形成しなかった.また, S. salivarius精製ゲノムDNAに対するdex DNAプローブの検出感度を測定したところ1ngのゲノムDNAを検出することが可能であった.さらに口腔内から分離したS. salivarius 100株に対してこの検出方法の信頼性を評価したところ, このプローブは使用したすべての分離株に対して明瞭なハイブリットを形成した.これらの結果は, S. salivariusのデキストラナーゼ遺伝子をプローブとしたDNAハイブリダイゼーション法は, 本菌種の特異的検出・同定に有用であることを示唆している.
ISSN:0285-922X
2186-5396
DOI:10.11516/dentalmedres1981.20.192