線量管理における体幹部X線CTプロトコル再構築

【目的】X線computed tomography(CT)検査の汎用的なプロトコルは,撮影範囲がプロトコル名と一致しているとは限らないため線量管理をするうえで問題がある.本研究の目的は,X線CT検査の線量管理において撮影範囲に応じたプロトコルを再構築することの有用性を検討することである.【方法】対象は胸部から骨盤部の単純X線CT検査を施行した患者とした.プロトコルは,「胸腹部ルーチン」および「腹部ルーチン」を再構築して検査データを取得した.身長とスキャン長の関係およびvolume CT dose index(CTDIvol)とdose length product(DLP)の関係を散布図で示し...

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Published in日本放射線技術学会雑誌 Vol. 78; no. 10; pp. 1149 - 1157
Main Authors 山本, 浩之, 光井, 英樹, 山口, 雄貴, 長木, 昭男, 川上, 雄司, 渡辺, 大輝, 伊藤, 修, 福永, 正明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本放射線技術学会 2022
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ISSN0369-4305
1881-4883
DOI10.6009/jjrt.2022-1131

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Summary:【目的】X線computed tomography(CT)検査の汎用的なプロトコルは,撮影範囲がプロトコル名と一致しているとは限らないため線量管理をするうえで問題がある.本研究の目的は,X線CT検査の線量管理において撮影範囲に応じたプロトコルを再構築することの有用性を検討することである.【方法】対象は胸部から骨盤部の単純X線CT検査を施行した患者とした.プロトコルは,「胸腹部ルーチン」および「腹部ルーチン」を再構築して検査データを取得した.身長とスキャン長の関係およびvolume CT dose index(CTDIvol)とdose length product(DLP)の関係を散布図で示しスキャン長およびDLPのstandard deviation(SD)を比較した.外れ値は,2SD以上と定義して分析を行った.また,プロトコル変更前後のCTDIvolとDLPの中央値を診断参考レベルと比較した.【結果】スキャン長のSDは上腹部-骨盤部のプロトコル変更前後で最大77.1%低値となった.DLPのSDは上腹部-骨盤部のプロトコル変更前後で最大65.2%低値となった.外れ値の原因は,身長とスキャン長の関係から「撮影範囲の違い」が検出され,CTDIvolとDLPの関係から「患者の体格」が主に検出された.【結語】撮影範囲に応じたプロトコルの再構築は,スキャン長およびDLPの分散が減少することにより異常な外れ値の検出が減少し,外れ値の原因分析に有用であった.
ISSN:0369-4305
1881-4883
DOI:10.6009/jjrt.2022-1131