誘惑抵抗に及ぼす気紛らわし活動の効果 : 活動が楽しくなくなるまでの時間という観点から(原著)

本研究の目的は,誘惑抵抗に及ぼす気紛らわし活動の効果を活動が楽しくなくなるまでの時間という観点から検討することであった。誘惑抵抗事態として,玩具の使用禁止事態が用いられた。88名の幼児が3つの気紛らわし条件と統制条件にランダムに割り当てられた。3つの気紛らわし条件は活動が楽しくなくなるまでの時間という点で異なっていた。楽しさ長条件は,楽しさ中条件と楽しさ短条件よりも活動が楽しくなくなるまでの時間が長かった。また楽しさ中条件は楽しさ短条件よりも活動が楽しくなくなるまでの時間が長かった。3つの気紛らわし条件の被験者は,誘惑抵抗期間中にその条件に応じた活動に従事することにより,使用を禁じられた玩具か...

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Bibliographic Details
Published in行動療法研究 Vol. 16; no. 1; pp. 19 - 26
Main Author 光富, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本認知・行動療法学会 31.03.1990
日本行動療法学会
Subjects
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ISSN0910-6529
2424-2594
DOI10.24468/jjbt.16.1_19

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Summary:本研究の目的は,誘惑抵抗に及ぼす気紛らわし活動の効果を活動が楽しくなくなるまでの時間という観点から検討することであった。誘惑抵抗事態として,玩具の使用禁止事態が用いられた。88名の幼児が3つの気紛らわし条件と統制条件にランダムに割り当てられた。3つの気紛らわし条件は活動が楽しくなくなるまでの時間という点で異なっていた。楽しさ長条件は,楽しさ中条件と楽しさ短条件よりも活動が楽しくなくなるまでの時間が長かった。また楽しさ中条件は楽しさ短条件よりも活動が楽しくなくなるまでの時間が長かった。3つの気紛らわし条件の被験者は,誘惑抵抗期間中にその条件に応じた活動に従事することにより,使用を禁じられた玩具から気を紛らわすように教示された。統制条件の被験者は,何ら気紛らわしの教示を受けなかった。結果は,活動が楽しくなくなるまでの時間が長ければ,それだけ気紛らわし活動の効果は大きくなることを示した。
ISSN:0910-6529
2424-2594
DOI:10.24468/jjbt.16.1_19