Warning: Full texts from electronic resources are only available from the university network. You are currently outside this network. Please log in to access full texts
塞栓除去術の3ヵ月後に腸管狭窄をきたした上腸間膜動脈塞栓症の1例
症例は71歳,男性。腹痛を主訴に当院を受診した。腹部CT検査で腹腔内出血と上腸間膜動脈(superior mesenteric artery:以下,SMA)の閉塞を認め,腹部血管撮影検査を施行した。右結腸動脈からの出血がみられ,コイル塞栓術にて止血した。また,SMAは回結腸動脈(iliocecal artery:以下,ICA)の起始部で閉塞していた。形状からSMAの解離が疑われ,血行再建術が必要と判断し手術を施行した。開腹所見では,回腸末端から上行結腸にかけての色調が不良であった。ICA内腔を確認すると塞栓を認めたため,塞栓除去術を施行した。その後,ICA末梢の血流は再開し腸管の色調が改善した...
Saved in:
Published in | Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 31; no. 7; pp. 1087 - 1091 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
2011
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.31.1087 |
Cover
Summary: | 症例は71歳,男性。腹痛を主訴に当院を受診した。腹部CT検査で腹腔内出血と上腸間膜動脈(superior mesenteric artery:以下,SMA)の閉塞を認め,腹部血管撮影検査を施行した。右結腸動脈からの出血がみられ,コイル塞栓術にて止血した。また,SMAは回結腸動脈(iliocecal artery:以下,ICA)の起始部で閉塞していた。形状からSMAの解離が疑われ,血行再建術が必要と判断し手術を施行した。開腹所見では,回腸末端から上行結腸にかけての色調が不良であった。ICA内腔を確認すると塞栓を認めたため,塞栓除去術を施行した。その後,ICA末梢の血流は再開し腸管の色調が改善したため,腸管切除術を行わずに手術を終了した。術後は,大きな合併症を認めず退院した。しかし,3ヵ月後に腸閉塞症で再入院し,右半結腸切除術を施行した。回腸末端から上行結腸は,瘢痕化し狭窄していた。腸間膜動脈塞栓症に対する塞栓除去術後は,虚血に伴う腸管狭窄を念頭に置いた厳重な経過観察が重要である。 |
---|---|
ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.31.1087 |