予防薬学を志向した保険薬局からの研究発信

「1. はじめに」保険薬局の薬剤師は, 病気の状態にある患者だけでなく, 健康若しくは未病の状態にある方とも接しており, こうした方々からサプリメントや各種健康食品(本稿では以下, サプリメント類と表記する)に係わる健康相談を受けることも少なくない. 国民の健康志向の高さを反映するように, 日本におけるサプリメント類の市場規模は約6千億円(2008年 株式会社富士経済)から1兆円(2008年ニューマガジン社)に達することが報告されている. しかし一方で, イメージを作り上げることで消費者に過剰な期待を与えかねない表記や, 製品賛美に終始した広告の氾濫は, 消費者が情報を正しく理解して製品を購入...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 129; no. 12; pp. 1469 - 1473
Main Authors 栗原, 智仁, 岡本, 泰範, 中村, 峰夫, 唐澤, 豪貴, 高市, 和之, 野田, 敏宏, 平野, 剛, 水野, 智, 牧野, 利明, 井関, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.12.2009
日本薬学会
Online AccessGet full text
ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.129.1469

Cover

More Information
Summary:「1. はじめに」保険薬局の薬剤師は, 病気の状態にある患者だけでなく, 健康若しくは未病の状態にある方とも接しており, こうした方々からサプリメントや各種健康食品(本稿では以下, サプリメント類と表記する)に係わる健康相談を受けることも少なくない. 国民の健康志向の高さを反映するように, 日本におけるサプリメント類の市場規模は約6千億円(2008年 株式会社富士経済)から1兆円(2008年ニューマガジン社)に達することが報告されている. しかし一方で, イメージを作り上げることで消費者に過剰な期待を与えかねない表記や, 製品賛美に終始した広告の氾濫は, 消費者が情報を正しく理解して製品を購入・使用する妨げとなることにもつながる. 薬剤師は患者の健康に寄与するためにも, これらの製品が適正に使用されることに対して取り組んでいく必要があると思われる. 日本における薬剤師は, 医療職の中にあって科学的な視点から情報を収集・評価するためのバックグラウンドを持っている職種と考えられる.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.129.1469