ラット脱神経横隔膜における機能的・構造的変化に対する加齢の影響

速筋,遅筋の混合筋であるラット横隔膜において片側横隔神経切除後の他側横隔膜収縮による間歇的伸張刺激に対する筋線維の加齢による変化について調べた。若齢(10週齢)および老齢(2年齢)のWistar系雄性ラットにおいて一側の横隔神経を切除し,4週後の横隔膜について等尺性収縮特性,筋線維組成,ミオシン重鎖アイソフォーム発現を筋線維電気刺激に対する筋収縮変化,酵素組織化学染色,ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動法を用いて調べた。若齢ラットにおいては,脱神経により片側横隔膜の収縮張力の低下や単収縮時間の延長,fast-twitch glycolytic線維の急激な萎縮などの退行性変化だ...

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Published in理学療法学 Vol. 33; no. 1; pp. 22 - 29
Main Authors 今北, 英高, 佐伯, 佑介, 庄野, 恵美子, 吉村, 理, 飛松, 好子, 宮田, 浩文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.02.2006
日本理学療法士協会
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Summary:速筋,遅筋の混合筋であるラット横隔膜において片側横隔神経切除後の他側横隔膜収縮による間歇的伸張刺激に対する筋線維の加齢による変化について調べた。若齢(10週齢)および老齢(2年齢)のWistar系雄性ラットにおいて一側の横隔神経を切除し,4週後の横隔膜について等尺性収縮特性,筋線維組成,ミオシン重鎖アイソフォーム発現を筋線維電気刺激に対する筋収縮変化,酵素組織化学染色,ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動法を用いて調べた。若齢ラットにおいては,脱神経により片側横隔膜の収縮張力の低下や単収縮時間の延長,fast-twitch glycolytic線維の急激な萎縮などの退行性変化だけでなく,fast-twitch oxidative glycolytic線維の肥大やslow oxidative線維の萎縮抑制,ミオシン重鎖1の相対的増加が認められた。老齢ラットにおいては,すべての筋線維タイプにおいて顕著な萎縮が生じ,ミオシン重鎖1の相対的増加も認められなかった。脱神経によって引き起こされた変化は若齢ラットと老齢ラットの間で異なっていた。脱神経後,若齢ラット横隔膜の遅筋化は,対側横隔膜の収縮によるストレッチ刺激に影響を受けた可能性が考えられた。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00004224907