深層学習を用いた側弯症X線画像の自動計測
はじめに:側弯症診療においてX線画像での計測は必須の作業であるが,手動計測には誤差の問題(3~8°程度)と計測時間・労力の問題がある.計測の自動化のために,ディープラーニングの技術を利用したAIの開発が進んでいる.本研究では大規模なデータセットを使用して,特発性側弯症患者の術前及び術後の全脊椎X線正面像を自動計測するAIの開発を目的とした.対象と方法:特発性側弯症患者の全脊椎正面X線画像2,059枚を使用し,椎体の4隅および,仙骨,骨盤,鎖骨,骨頭のキーポイントに正解値を作成,深層学習を行いAIモデルの作成を行った.Cobb角を含むパラメータの計測を行い,5分割交差法を用いて誤差の検証を行った...
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Published in | Journal of Spine Research Vol. 15; no. 11; pp. 1313 - 1320 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
20.11.2024
日本脊椎脊髄病学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1884-7137 2435-1563 |
DOI | 10.34371/jspineres.2024-1111 |
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Summary: | はじめに:側弯症診療においてX線画像での計測は必須の作業であるが,手動計測には誤差の問題(3~8°程度)と計測時間・労力の問題がある.計測の自動化のために,ディープラーニングの技術を利用したAIの開発が進んでいる.本研究では大規模なデータセットを使用して,特発性側弯症患者の術前及び術後の全脊椎X線正面像を自動計測するAIの開発を目的とした.対象と方法:特発性側弯症患者の全脊椎正面X線画像2,059枚を使用し,椎体の4隅および,仙骨,骨盤,鎖骨,骨頭のキーポイントに正解値を作成,深層学習を行いAIモデルの作成を行った.Cobb角を含むパラメータの計測を行い,5分割交差法を用いて誤差の検証を行った.結果:Cobb角はメジャーカーブの絶対平均誤差が2.5°,相関係数0.99と高い精度で計測可能であった.学習を重ねることでインプラントと重なっていても椎体の角を正確に認識する事が可能になった.計測時間は1枚あたり1.4秒であった.結語:大規模なデータセットで学習することで,インプラントが入っていても側弯症患者X線画像の自動計測を高い精度で行うことが可能になった.計測時間も大幅に短縮でき,AIは臨床上非常に有用なツールとなり得る. |
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ISSN: | 1884-7137 2435-1563 |
DOI: | 10.34371/jspineres.2024-1111 |