抑うつエピソードの経験者と未経験者における社会的問題解決と反すうの差異 日本人大学生を対象として
「問題と目的」 うつ病は再発が起きやすい疾患である. 例えば, 地域住民を対象とした調査では再発率が40-50%であり, 患者群を対象とした調査では, 再発率はそれ以上であるという結果が得られている(レビューとして, Klein & Allmann, 2014). そのため, うつ病から寛解した群は抑うつエピソードの再発を促す要因を保持していると考えられる. したがって, うつ病から寛解した群の特徴を探ることは, 抑うつの脆弱性要因を特定する手がかりとなる. 社会的問題解決とは, 日常生活で経験された問題状況を解決する過程を指す. 社会的問題解決を測定する代表的な指標としてSocial...
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Published in | パーソナリティ研究 Vol. 25; no. 2; pp. 162 - 165 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本パーソナリティ心理学会
01.11.2016
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1348-8406 1349-6174 |
DOI | 10.2132/personality.25.162 |
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Summary: | 「問題と目的」 うつ病は再発が起きやすい疾患である. 例えば, 地域住民を対象とした調査では再発率が40-50%であり, 患者群を対象とした調査では, 再発率はそれ以上であるという結果が得られている(レビューとして, Klein & Allmann, 2014). そのため, うつ病から寛解した群は抑うつエピソードの再発を促す要因を保持していると考えられる. したがって, うつ病から寛解した群の特徴を探ることは, 抑うつの脆弱性要因を特定する手がかりとなる. 社会的問題解決とは, 日常生活で経験された問題状況を解決する過程を指す. 社会的問題解決を測定する代表的な指標としてSocial Problem-Solving Inventory-Revised(SPSI-R)とMeans-Ends Problem-Solving Test(MEPS)が挙げられる. SPSI-Rはポジティブな問題志向(Positive Problem Orientation : PPO), ネガティブな問題志向(Negative Problem Orientation : NPO), 合理的問題解決(Rational Problem Solving : RPS), 衝動的・不注意型スタイル(Impulsivity/Carelessness Style : ICS), 回避型スタイル(Avoidance Style : AS)から構成される質問紙である. |
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ISSN: | 1348-8406 1349-6174 |
DOI: | 10.2132/personality.25.162 |