アタッチメントスタイルと自己イメージの関連 20答法による探索的検討

アタッチメント理論の提唱者であるBowlbyは,アタッチメント経験から形成される“自己に関する作業モデル”に注目していたものの,その後のアタッチメント研究では,意識的な自己イメージは中心課題とされてこなかった。そこで本研究では,アタッチメントスタイルと,自己イメージの内容面である構成要素とその構造との関連について探索的な検討を行うことを目的とした。277名の調査協力者に対し,20答法と日本語版Relationship Questionnaireを実施し,テキストマイニングによる分析を行った。その結果,安定型は社会的で肯定的な自己イメージを,軽視型は防衛的で肯定的な自己イメージを,とらわれ型はア...

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Published inパーソナリティ研究 Vol. 23; no. 3; pp. 180 - 192
Main Author 田附, 紘平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本パーソナリティ心理学会 31.03.2015
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Summary:アタッチメント理論の提唱者であるBowlbyは,アタッチメント経験から形成される“自己に関する作業モデル”に注目していたものの,その後のアタッチメント研究では,意識的な自己イメージは中心課題とされてこなかった。そこで本研究では,アタッチメントスタイルと,自己イメージの内容面である構成要素とその構造との関連について探索的な検討を行うことを目的とした。277名の調査協力者に対し,20答法と日本語版Relationship Questionnaireを実施し,テキストマイニングによる分析を行った。その結果,安定型は社会的で肯定的な自己イメージを,軽視型は防衛的で肯定的な自己イメージを,とらわれ型はアンビバレントな人の関係や否定的な自己イメージを,おそれ型は人との関係や自らの能力から自己イメージを抱きやすいという仮説がそれぞれ示された。得られた結果から,各アタッチメントスタイルが抱く自己イメージの内的力動に関して考察を行った。
ISSN:1348-8406
1349-6174
DOI:10.2132/personality.23.180