腹腔鏡下に修復したMorgagni孔ヘルニアの1例

症例は64歳,女性.検診での胸部レントゲン異常を指摘され近医を受診し,CTで横隔膜ヘルニアを指摘され当院紹介となった.右胸腔内に横行結腸,大網が脱出し,Morgagni孔ヘルニアと診断された.無症状だが,今後嵌頓などの危険性が否定できず腹腔鏡による修復術を施行することとなった.手術所見は,胸骨右側にヘルニア嚢を認め,内部には横行結腸が陥入していたが容易に引き出すことが出来た.肝円索を切離するとヘルニア門はおおよそ6×8cm程度の大きさであり直接縫合するには大きく,メッシュによる修復を行う方針とした.ヘルニア嚢は切除せず,composite meshをヘルニア門にあて,横隔膜と縫合固定した.手術...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 8; pp. 1999 - 2003
Main Authors 船越, 真人, 福田, 康彦, 中光, 篤志, 今村, 祐司, 香山, 茂平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.72.1999

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Summary:症例は64歳,女性.検診での胸部レントゲン異常を指摘され近医を受診し,CTで横隔膜ヘルニアを指摘され当院紹介となった.右胸腔内に横行結腸,大網が脱出し,Morgagni孔ヘルニアと診断された.無症状だが,今後嵌頓などの危険性が否定できず腹腔鏡による修復術を施行することとなった.手術所見は,胸骨右側にヘルニア嚢を認め,内部には横行結腸が陥入していたが容易に引き出すことが出来た.肝円索を切離するとヘルニア門はおおよそ6×8cm程度の大きさであり直接縫合するには大きく,メッシュによる修復を行う方針とした.ヘルニア嚢は切除せず,composite meshをヘルニア門にあて,横隔膜と縫合固定した.手術時間は120分で,出血は少量であった.術後経過は良好で術後7日目に退院した.Morgagni孔ヘルニアに対するメッシュを用いた腹腔鏡下の修復術は安全に施行できる術式であった.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.1999