新生児集中治療室における18トリソミーへの対応

過去10年間の当院新生児集中治療室における18トリソミー児15例の周産期歴,治療方針,予後について検討し,当院での現状を示した.13例が出生前に18トリソミーの可能性を指摘されていた.在胎週数の中央値は39.1週で,出生体重の中央値は1,887gであった.全例に先天性心疾患を合併し,3例に先天性消化器疾患に対する外科的治療が行われた.自宅退院したのは1例のみであり,11例が新生児集中治療室で死亡していた.生存期間の延長に,非侵襲的・侵襲的陽圧換気の使用と無輸血であることが関連していた.18トリソミーは多彩な心・消化器合併症と中枢性無呼吸発作,重度の精神運動発達遅滞を伴い,1年生存率は10%前後...

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Published in岩手医学雑誌 Vol. 70; no. 3; pp. 101 - 106
Main Authors 小西, 雄, 高清水, 奈央, 小山, 耕太郎, 鳥谷, 由貴子, 伊藤, 歩惟, 土屋, 繁国, 吉田, 太郎, 外舘, 玄一朗, 松本, 敦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 岩手医学会 01.08.2018
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ISSN0021-3284
2434-0855
DOI10.24750/iwateishi.70.3_101

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Summary:過去10年間の当院新生児集中治療室における18トリソミー児15例の周産期歴,治療方針,予後について検討し,当院での現状を示した.13例が出生前に18トリソミーの可能性を指摘されていた.在胎週数の中央値は39.1週で,出生体重の中央値は1,887gであった.全例に先天性心疾患を合併し,3例に先天性消化器疾患に対する外科的治療が行われた.自宅退院したのは1例のみであり,11例が新生児集中治療室で死亡していた.生存期間の延長に,非侵襲的・侵襲的陽圧換気の使用と無輸血であることが関連していた.18トリソミーは多彩な心・消化器合併症と中枢性無呼吸発作,重度の精神運動発達遅滞を伴い,1年生存率は10%前後とされているが,積極的な治療介入によって生存期間が延長される児がいることがわかってきた.しかし,合併症の重症度によって児の予測される予後や可能な治療の選択肢は異なるため,症例に応じた対応が必要である.
ISSN:0021-3284
2434-0855
DOI:10.24750/iwateishi.70.3_101