多趾症,合趾症および脛骨・腓骨欠損症を合併した黒毛和種子牛の一例

多趾症の報告は黒毛和種牛では少なく,多趾症に脛骨・腓骨の欠損を伴った症例の報告は見当たらない.本症例は出生直後から起立困難を呈した黒毛和種牛の雄で,来院時は6日齢,体重は30kgであった.哺乳欲はみられたが,左後肢は短肢で,3対の蹄を認め,大腿骨下部から足根骨上部にかけて骨,関節を認めず,同部において他動的に自由方向に可動し負重不能であった.X線検査,病理検査において,左後肢には3対の蹄(中央の内・外蹄は融合)と2本の中足骨を認め,脛骨・腓骨の欠損を確認した.以上の所見から,これまで報告のない多趾症,合趾症および脛骨・腓骨欠損症の合併症と診断した....

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Published in産業動物臨床医学雑誌 Vol. 1; no. 1; pp. 15 - 18
Main Authors 渡辺, 大作, 小山田, 敏之, 大塚, 浩通, 平泉, 美栄子, 朴, 天鎬, 宮澤, 和貴, 永來, 沙夜子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本家畜臨床学会 ・ 大動物臨床研究会 2010
Subjects
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ISSN1884-684X
2187-2805
DOI10.4190/jjlac.1.15

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Summary:多趾症の報告は黒毛和種牛では少なく,多趾症に脛骨・腓骨の欠損を伴った症例の報告は見当たらない.本症例は出生直後から起立困難を呈した黒毛和種牛の雄で,来院時は6日齢,体重は30kgであった.哺乳欲はみられたが,左後肢は短肢で,3対の蹄を認め,大腿骨下部から足根骨上部にかけて骨,関節を認めず,同部において他動的に自由方向に可動し負重不能であった.X線検査,病理検査において,左後肢には3対の蹄(中央の内・外蹄は融合)と2本の中足骨を認め,脛骨・腓骨の欠損を確認した.以上の所見から,これまで報告のない多趾症,合趾症および脛骨・腓骨欠損症の合併症と診断した.
ISSN:1884-684X
2187-2805
DOI:10.4190/jjlac.1.15