MDCTで腸間膜血管の回転像が描出された小腸GIST軸捻転症の1例
症例は32歳女性。自然消退を繰り返す下腹部痛にて当院救急外来を受診した。腹部CTでは骨盤内に12cm×10cmの腫瘤を認め,腸間膜の捻転像が疑われた。MDCTではCTの所見に加えて,SMAを軸として腸間膜血管の回転像が明瞭に描出された。小腸腫瘍による軸捻転症と診断し手術を施行した。術中所見は空腸間膜側に腫瘍を認め,SMAを軸として時計回りに腸間膜が360度捻転していた。病理組織診断は小腸GIST,c-kit陽性,核分裂数7/50HPFであった。小腸GISTによる軸捻転症は極めてまれであり,本例ではMDCTにより特徴的な捻転像が得られ術前診断に有用であった。...
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Published in | Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 28; no. 7; pp. 961 - 964 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
2008
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.28.961 |
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Summary: | 症例は32歳女性。自然消退を繰り返す下腹部痛にて当院救急外来を受診した。腹部CTでは骨盤内に12cm×10cmの腫瘤を認め,腸間膜の捻転像が疑われた。MDCTではCTの所見に加えて,SMAを軸として腸間膜血管の回転像が明瞭に描出された。小腸腫瘍による軸捻転症と診断し手術を施行した。術中所見は空腸間膜側に腫瘍を認め,SMAを軸として時計回りに腸間膜が360度捻転していた。病理組織診断は小腸GIST,c-kit陽性,核分裂数7/50HPFであった。小腸GISTによる軸捻転症は極めてまれであり,本例ではMDCTにより特徴的な捻転像が得られ術前診断に有用であった。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.28.961 |