細菌学的方法による齲蝕活動性試験の比較

細菌を指標としたミューカウント®とカリオスタット®は, 臨床の場で広く使用されている齲蝕活動性試験である.本研究では, 10人の小児を被験者としてミューカウントとカリオスタットを実施し, 同時にプラーク中のSlreptococcusmuatans (S.mutans) 菌数をDNAプローブ法で測定して, 齲蝕活動性試験とS.muatans菌数との関係を調べた.ミューカウントは唾液中のS.mutans菌の検出において有効であったが, その結果は必ずしもプラーク中のS.mutans菌数を反映していないことがわかった.一方, プラークの酸産生能を調べるカリオスタットの結果もまた, プラーク中のS.m...

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Published in昭和歯学会雑誌 Vol. 23; no. 4; pp. 259 - 263
Main Authors 矢野, 雄一郎, 五十嵐, 武, 井上, 美津子, 後藤, 延一, 佐々, 龍二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学・昭和歯学会 2003
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Summary:細菌を指標としたミューカウント®とカリオスタット®は, 臨床の場で広く使用されている齲蝕活動性試験である.本研究では, 10人の小児を被験者としてミューカウントとカリオスタットを実施し, 同時にプラーク中のSlreptococcusmuatans (S.mutans) 菌数をDNAプローブ法で測定して, 齲蝕活動性試験とS.muatans菌数との関係を調べた.ミューカウントは唾液中のS.mutans菌の検出において有効であったが, その結果は必ずしもプラーク中のS.mutans菌数を反映していないことがわかった.一方, プラークの酸産生能を調べるカリオスタットの結果もまた, プラーク中のS.mutans菌数とは有意な相関を示さなかった.以上の結果は, ミューカウントおよびカリオスタットの判定結果を齲蝕リスク判定因子として用いるのは適切ではない可能性を示唆した.
ISSN:0285-922X
2186-5396
DOI:10.11516/dentalmedres1981.23.259