当院における腸重積症の治療
乳幼児の代表的腹部救急疾患である, 腸重積症に対する当院の注腸整復法の治療成績につき検討した。2002年3月から2005年12月までの間に104件 (98名 ; 生後4日目から6歳, 男女比69 : 29) の腸重積症を経験した。これらの症例の治療法, 治療成績, 透視時間に関して後方視的に検討を行った。104件中103件ではじめに非観血的整復法が行われ, 新生児例の1件のみ最初の治療として手術が選択された。現在当院では非観血的整復法としてエコー併用下に非イオン性造影剤による注腸整復法を行っている。これは, 注腸を行いながらエコーでも腫瘤の存在と整復を確認していく方法で, 基本的な注腸の方法は...
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Published in | Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 27; no. 5; pp. 715 - 720 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
2007
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.27.715 |
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Summary: | 乳幼児の代表的腹部救急疾患である, 腸重積症に対する当院の注腸整復法の治療成績につき検討した。2002年3月から2005年12月までの間に104件 (98名 ; 生後4日目から6歳, 男女比69 : 29) の腸重積症を経験した。これらの症例の治療法, 治療成績, 透視時間に関して後方視的に検討を行った。104件中103件ではじめに非観血的整復法が行われ, 新生児例の1件のみ最初の治療として手術が選択された。現在当院では非観血的整復法としてエコー併用下に非イオン性造影剤による注腸整復法を行っている。これは, 注腸を行いながらエコーでも腫瘤の存在と整復を確認していく方法で, 基本的な注腸の方法は1~1.2m H2Oの加圧を3分間3回くり返して行った。この方法でも整復しないものに対して手術を施行した。全体の整復率は90.3% (103件中93件) で, このうちエコー併用下注腸法による整復は100件中90件で90.0%であった。穿孔症例はなく, 術後の入院観察期間中に2例再注腸を必要とした。平均透視時間は整復成功例で151.6±106.0秒, 非整復例では225.7±207.3秒であった。エコー併用下注腸整復法は, 特に整復困難な例での透視時間を短縮させることができ, 有効性の高い安全な方法と考えられた。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.27.715 |