CAD/CAMシステムを用いて製作した純チタンクラウンの内面適合精度について

タンは耐蝕性, 生体親和性に優れ, 機械的性質はタイプIV金合金と近似しているため歯科用金属として望ましい性質を備えているが, 融点が高く, 高温時の化学的活性が高いので鋳造性の困難さと, 難削材料であるため研磨の困難さが指摘されている.このようなチタンを用いて合理的に高精度な歯冠補綴物を製作するため, 歯科用CAD/CAMシステムが用いられているがその適合精度に関しては課題が残されている.そこで, パターンモデルの計測データから作製された切削パスをX軸, Y軸, Z軸に対して, 0.3%, 0.5%, 1.0%の拡大を行い, クラウン内面の適合性について比較検討した.その結果, 1.0%拡大...

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Published in昭和歯学会雑誌 Vol. 24; no. 2; pp. 172 - 178
Main Authors 芝, 〓彦, 丸谷, 善彦, 宮崎, 隆, 鈴木, 潔, 太田, 亮, 玉置, 幸道, 平田, 智秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学・昭和歯学会 2004
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ISSN0285-922X
2186-5396
DOI10.11516/dentalmedres1981.24.172

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Summary:タンは耐蝕性, 生体親和性に優れ, 機械的性質はタイプIV金合金と近似しているため歯科用金属として望ましい性質を備えているが, 融点が高く, 高温時の化学的活性が高いので鋳造性の困難さと, 難削材料であるため研磨の困難さが指摘されている.このようなチタンを用いて合理的に高精度な歯冠補綴物を製作するため, 歯科用CAD/CAMシステムが用いられているがその適合精度に関しては課題が残されている.そこで, パターンモデルの計測データから作製された切削パスをX軸, Y軸, Z軸に対して, 0.3%, 0.5%, 1.0%の拡大を行い, クラウン内面の適合性について比較検討した.その結果, 1.0%拡大で製作した純チタンクラウンのマージン部のセメント被膜厚さの平均値および標準偏差は51.6±28.1μmであり, 内面全体のセメント被膜厚さの平均値と標準偏差は35.9±14.7μmであった.以上のことから1.0%拡大で製作した純チタンクラウンが臨床に応用できる可能性があることが示唆された.
ISSN:0285-922X
2186-5396
DOI:10.11516/dentalmedres1981.24.172