子宮広間膜ヘルニアの2例

症例1:54歳女性。半年前に右子宮広間膜ヘルニアで手術歴あり。腹痛精査にて他院に入院するも3日間症状軽快せず当院転院。腸雑音は低下し,下腹部に圧痛,反跳痛あり。腹部CTにて左子宮広間膜ヘルニアと診断。開腹所見では,Fenestra typeの子宮広間膜ヘルニアと嵌頓腸管の壊死を認めた。小腸部分切除術およびヘルニア門閉鎖術施行した。症例2:50歳女性。手術歴。腹痛嘔吐を主訴に当院救急室受診。腸雑音は亢進し,下腹部に圧痛を認めるも反跳痛。腹部CTにて左子宮広間膜ヘルニアと診断。発症早期であり,腹腔鏡下に整復を行った。Pouch typeの左子宮広間膜ヘルニアを認め,腸管壊死は認めず。嵌頓解除および...

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Bibliographic Details
Published inNihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 31; no. 4; pp. 697 - 700
Main Authors ぐし宮城, 正典, 村上, 隆啓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2011
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.31.697

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Summary:症例1:54歳女性。半年前に右子宮広間膜ヘルニアで手術歴あり。腹痛精査にて他院に入院するも3日間症状軽快せず当院転院。腸雑音は低下し,下腹部に圧痛,反跳痛あり。腹部CTにて左子宮広間膜ヘルニアと診断。開腹所見では,Fenestra typeの子宮広間膜ヘルニアと嵌頓腸管の壊死を認めた。小腸部分切除術およびヘルニア門閉鎖術施行した。症例2:50歳女性。手術歴。腹痛嘔吐を主訴に当院救急室受診。腸雑音は亢進し,下腹部に圧痛を認めるも反跳痛。腹部CTにて左子宮広間膜ヘルニアと診断。発症早期であり,腹腔鏡下に整復を行った。Pouch typeの左子宮広間膜ヘルニアを認め,腸管壊死は認めず。嵌頓解除およびヘルニア門縫合閉鎖術を施行した。子宮広間膜ヘルニアは比較的まれな疾患であるが,臨床経過より強く疑い,腹部CTにて早期診断を行うことで,低侵襲な腹腔鏡下手術が可能となると考えられた。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.31.697