門脈圧亢進症に伴う小腸静脈瘤出血症例の検討

小腸静脈瘤出血は, 通常の内視鏡検査による診断と治療が困難であり, 診断および治療には難渋することが多い。そこで, 当科で経験した小腸静脈瘤出血13例について分析し, 診断と治療法について検討した。出血部位は, 胃全摘術後挙上空腸脚3例, Roux-en Y脚1例, 胃切除術後輸出脚1例, 肝左葉切除術後胆管空腸吻合部1例, 小腸7例であった。診断に関しては, 胃全摘術後の挙上空腸脚静脈瘤3例と胃切除術後輸出脚静脈瘤1例を除く9例は, 通常の内視鏡では診断は不可能であり, 7例でMD-CTにて診断が可能であり, 残りの2例は血管造影および出血シンチにて診断がなされた。4例では, 内視鏡的硬化療...

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Published inNihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 27; no. 7; pp. 957 - 961
Main Authors 小西, 晃造, 金城, 直, 橋爪, 誠, 前原, 喜彦, 上原, 英雄, 姉川, 剛, 吉田, 大輔, 川中, 博文, 橋本, 直隆, 山口, 将平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2007
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.27.957

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Summary:小腸静脈瘤出血は, 通常の内視鏡検査による診断と治療が困難であり, 診断および治療には難渋することが多い。そこで, 当科で経験した小腸静脈瘤出血13例について分析し, 診断と治療法について検討した。出血部位は, 胃全摘術後挙上空腸脚3例, Roux-en Y脚1例, 胃切除術後輸出脚1例, 肝左葉切除術後胆管空腸吻合部1例, 小腸7例であった。診断に関しては, 胃全摘術後の挙上空腸脚静脈瘤3例と胃切除術後輸出脚静脈瘤1例を除く9例は, 通常の内視鏡では診断は不可能であり, 7例でMD-CTにて診断が可能であり, 残りの2例は血管造影および出血シンチにて診断がなされた。4例では, 内視鏡的硬化療法にて止血可能であった。2例には, PTOを施行し一時止血を得たが再出血を認めた。B-RTOを施行した小腸静脈瘤6例および小腸切除術を施行した1例では, 再出血を認めていない。小腸静脈瘤出血の診断には, MD-CTが重要であり, B-RTOなどにより静脈瘤の本体である門脈大循環短絡路の閉鎖が必要と考えられた。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.27.957