頸部–下肢3D-CTAにおける可変注入法の有用性

【目的】本研究は頸部から下肢のthree-dimensional computed tomography angiography(頸部–下肢3D-CTA)における動脈の造影効果と体軸方向の造影剤分布状態を一段注入法と可変注入法で比較した.【方法】下肢閉塞性動脈疾患を疑い頸部–下肢3D-CTAを施行した112名を対象とした.可変注入法の可変定数を0.7とし,両群35秒間の造影剤注入を行った.総頸動脈,上行大動脈,腹部大動脈,浅大腿動脈,膝窩動脈,前脛骨動脈,足背動脈のCT値および患者ごとに各動脈のCT値を浅大腿動脈のCT値で除した値を造影均一度とし比較した.4段階の視覚評価も行った.【結果】可変...

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Published in日本放射線技術学会雑誌 Vol. 79; no. 7; pp. 701 - 707
Main Author 田原, 琢朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本放射線技術学会 2023
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ISSN0369-4305
1881-4883
DOI10.6009/jjrt.2023-1357

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Summary:【目的】本研究は頸部から下肢のthree-dimensional computed tomography angiography(頸部–下肢3D-CTA)における動脈の造影効果と体軸方向の造影剤分布状態を一段注入法と可変注入法で比較した.【方法】下肢閉塞性動脈疾患を疑い頸部–下肢3D-CTAを施行した112名を対象とした.可変注入法の可変定数を0.7とし,両群35秒間の造影剤注入を行った.総頸動脈,上行大動脈,腹部大動脈,浅大腿動脈,膝窩動脈,前脛骨動脈,足背動脈のCT値および患者ごとに各動脈のCT値を浅大腿動脈のCT値で除した値を造影均一度とし比較した.4段階の視覚評価も行った.【結果】可変注入法では膝窩動脈,前脛骨動脈,足背動脈のCT値および造影均一度が有意に高く(P<0.01),他の動脈は有意差を認めなかった.視覚評価でも同様に可変注入法で有意にスコアが向上した.【結語】頸部–下肢3D-CTAにおいて可変注入法は有用である.
ISSN:0369-4305
1881-4883
DOI:10.6009/jjrt.2023-1357