シリコーン咬合印象法の部分床義歯への応用

重度の開口障害を呈する患者の欠損補綴処置に際しては, 印象採得用トレーおよび咬合床の挿入が困難である場合が多く, 通法では補綴処置ができないことが多い.しかし, 補綴処置が不可能である理由から放置することはできず, 補綴治療が必要な例では, なんらかの対策を講じなければならない.そこで, 当教室で開発したクラウンおよびブリッジのためのトレーを使わないシリコーン咬合印象法を応用し, 成功した症例を経験したので報告する.その方法は, 個人トレー製作のための概形印象を歯列トレーを使用しないシリコーンラバー印象材を用いた咬合印象法により行い, 欠損部のみの咬合印象用個人トレーを製作する.最終印象採得は...

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Published in昭和歯学会雑誌 Vol. 18; no. 3; pp. 254 - 259
Main Authors 篠田, 浩人, 川和, 忠治, 山上, 芳雄, 峯, 勉, 蛭間, 有紀子, 船登, 雅彦, 古屋, 良一, 池田, 光安
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学・昭和歯学会 1998
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ISSN0285-922X
2186-5396
DOI10.11516/dentalmedres1981.18.254

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Summary:重度の開口障害を呈する患者の欠損補綴処置に際しては, 印象採得用トレーおよび咬合床の挿入が困難である場合が多く, 通法では補綴処置ができないことが多い.しかし, 補綴処置が不可能である理由から放置することはできず, 補綴治療が必要な例では, なんらかの対策を講じなければならない.そこで, 当教室で開発したクラウンおよびブリッジのためのトレーを使わないシリコーン咬合印象法を応用し, 成功した症例を経験したので報告する.その方法は, 個人トレー製作のための概形印象を歯列トレーを使用しないシリコーンラバー印象材を用いた咬合印象法により行い, 欠損部のみの咬合印象用個人トレーを製作する.最終印象採得は, 欠損部に咬合印象用個人トレーを使用し, 残存歯部にシリコーンラバー印象材を用いた咬合印象法を行った.以上の方法により印象および咬合採得が正確にでき, 部分床義歯を製作および装着することができた.
ISSN:0285-922X
2186-5396
DOI:10.11516/dentalmedres1981.18.254