看護支援システムの活用による看護実践の即時性改善

地域包括ケアが進む中、病棟看護師の役割が大きく変化している。とりわけ、理学療法士や介護職員などとの連携が進む中で、患者情報をリアルタイムに共有することはきわめて重要だ。その一方、看護記録の多くが実践の数時間後に記載され、状況共有の妨げになっていることも事実である。看護実践が即座に多職種に共有される仕組みは、これからの病棟に不可欠といえるだろう。 ここ10年で電子カルテシステムは比較的な普及を遂げた。しかし、看護師が扱う情報の多くは、看護師自らの入力を前提としている。これを、手入力を前提とした仕組み、あるいは他の職種による代行入力を前提とした仕組みを続けいていては、情報共有の即時性が担保できない...

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Published in生体医工学 Vol. 54Annual; no. 28AM-Abstract; p. S286
Main Author 瀬戸, 僚馬
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2016
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Summary:地域包括ケアが進む中、病棟看護師の役割が大きく変化している。とりわけ、理学療法士や介護職員などとの連携が進む中で、患者情報をリアルタイムに共有することはきわめて重要だ。その一方、看護記録の多くが実践の数時間後に記載され、状況共有の妨げになっていることも事実である。看護実践が即座に多職種に共有される仕組みは、これからの病棟に不可欠といえるだろう。 ここ10年で電子カルテシステムは比較的な普及を遂げた。しかし、看護師が扱う情報の多くは、看護師自らの入力を前提としている。これを、手入力を前提とした仕組み、あるいは他の職種による代行入力を前提とした仕組みを続けいていては、情報共有の即時性が担保できないことは明らかだ。そこで、生体情報をいかに把握し、電子カルテなどの看護業務を支援するシステム(看護支援システム)に反映させていくかが重要だ。 看護界においては、2015年末に看護実践用語標準マスタが医療情報標準化指針として採択され、生体デバイスなどから得たデータを、看護支援システムに反映させる基盤が整ってきた。このOSでは、どのような看護実践情報を、どのようなユビキタス技術を用いて、どのように表現することが望ましいか議論していきたい。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.54Annual.S286