腰椎椎間板ヘルニア再手術例に対するTELDの有効性と限界―L4/5高位での再手術131例と初回手術420例の比較

はじめに:TELD(transforaminal full-endoscopic lumbar discectomy)は,後方アプローチ術後の癒着瘢痕をさけて再発ヘルニアを切除できる優位性が報告されているが,その限界については未だ不明瞭である.対象と方法:L4/5高位にTELDを施行した腰椎椎間板ヘルニア再手術症例131例を対象とした.術後早期MRIでのヘルニア完全摘出の有無を判定し,後ろ向きに臨床成績を評価した.さらに初回手術症例420例の治療成績と比較した.結果:再手術例では,ヘルニア完全摘出77.1%,術後ヘルニア再発19.8%,術後再手術19.8%であった.術後合併症を9.9%に認め,...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 16; no. 1; pp. 23 - 32
Main Authors 吉松, 弘喜, 柴山, 元英, 三浦, 恭志, 中村, 周, 伊藤, 全哉, 伊藤, 不二夫, 山田, 実, 松原, 庸勝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.01.2025
日本脊椎脊髄病学会
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Summary:はじめに:TELD(transforaminal full-endoscopic lumbar discectomy)は,後方アプローチ術後の癒着瘢痕をさけて再発ヘルニアを切除できる優位性が報告されているが,その限界については未だ不明瞭である.対象と方法:L4/5高位にTELDを施行した腰椎椎間板ヘルニア再手術症例131例を対象とした.術後早期MRIでのヘルニア完全摘出の有無を判定し,後ろ向きに臨床成績を評価した.さらに初回手術症例420例の治療成績と比較した.結果:再手術例では,ヘルニア完全摘出77.1%,術後ヘルニア再発19.8%,術後再手術19.8%であった.術後合併症を9.9%に認め,手術満足群は81.7%であった.再手術例と初回手術例との比較では,ヘルニア完全摘出,術後殿部下肢痛VAS,術後JOAスコア,術後再手術,術後合併症,手術満足群の因子で有意差を認めた.結語:TELDは有効であったが,再手術例は初回手術例より治療成績が劣っていた.再手術例では後縦靭帯同定,癒着剥離,除圧確認が重要となる.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2024-0002