佐賀県基山町に流行したA型肝炎の肝組織像-B型肝炎との比較
1977年6月,佐賀県三養基郡基山町のK小学校でA型肝炎の流行があり,486名の発症者を認め,この際に入院治療を行った患者で肝生検を施行し得た28例(発症後14日以内に肝生検を施行し得た急性期のもの16例,発症後15日以降に肝生検を施行した回復期のもの12例)と久留米大学第2内科,および,その関連病院に入院し,急性B型肝炎と診断した10例を対象とした.対象となった年齢はA型肝炎の急性期例で7~17歳(平均9.4歳),回復期の例で7~20歳(平均10.7歳),および,急性B型肝炎の例では18~34歳(平均24.6歳)であった.肝生検施行時期はそれぞれ,発症後5~14日(平均9.1日),35~92...
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Published in | 肝臓 Vol. 22; no. 1; pp. 22 - 31 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
01.01.1981
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Summary: | 1977年6月,佐賀県三養基郡基山町のK小学校でA型肝炎の流行があり,486名の発症者を認め,この際に入院治療を行った患者で肝生検を施行し得た28例(発症後14日以内に肝生検を施行し得た急性期のもの16例,発症後15日以降に肝生検を施行した回復期のもの12例)と久留米大学第2内科,および,その関連病院に入院し,急性B型肝炎と診断した10例を対象とした.対象となった年齢はA型肝炎の急性期例で7~17歳(平均9.4歳),回復期の例で7~20歳(平均10.7歳),および,急性B型肝炎の例では18~34歳(平均24.6歳)であった.肝生検施行時期はそれぞれ,発症後5~14日(平均9.1日),35~92日(平均58.8日),および,6~17日(平均11.9日)であった.肝組織所見では光顕的にはA型肝炎の急性期の特徴として,門脈域の著明な円形細胞浸潤,小葉辺縁部の肝細胞の変性,壊死像が目立ち,小葉中心部の変化は少なく,さらに,星細胞の増生が比較的軽度であった.電顕的には,糸粒体の変化がA型肝炎にきわめて特徴的で,数の増加,分裂像,cristaeのcurlingやmatrixのdensityの減少等の種々の変化が認められ,小胞体の変化はB型肝炎例と比較すると軽度であった. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.22.22 |