内頸動脈閉塞性病変に対するSTA-MCA吻合術の眼動脈血流への効果

• Published in: Neurosonology Vol. 19; no. 3; pp. 147 - 149
• Main Authors: 川口, 正一郎, 今西, 正巳, 橋本, 宏之, 松山, 武, 竹嶋, 俊一, 金, 永進, 野林, 美里, 榊, 寿右
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人日本脳神経超音波学会 2006; 日本脳神経超音波学会
• ISSN: 0917-074X
• DOI: 10.2301/neurosonology.19.147

「はじめに」内頸動脈閉塞性病変では, 頭蓋内血流を維持するために様々な側副血行路が機能する. 側副血行路には頭蓋内からと頭蓋外からのものがあり, 前者には前交通動脈, 後交通動脈, leptomeningeal anastomosisを介したもの, 後者には眼動脈によるものがある. 著者らは, 内頸動脈閉塞性病変での眼動脈を介した側副血行路と頭蓋内血流動態との関係や, 内頸動脈閉塞性病変に起因する慢性眼虚血症候群に対する浅側頭動脈-中大脳動脈(STA-MCA)吻合術, 頸動脈血栓内膜剥離術(CEA), 頸動脈ステント留置術の効果について眼動脈血流を中心に報告してきた5,7-9). 本報告では, STA-MCA吻合術を施行した内頸動脈閉塞性病変の眼動脈血流の術前後にわたる経時的変化について観察し, 内頸動脈閉塞性病変でのSTA-MCA吻合術の眼循環への効果を検討し報告する. 「対象」内頸動脈閉塞性病変でSTA-MCA吻合術を施行した88例を対象とした. 内頸動脈病変は, 閉塞症71例, CEAや頸動脈ステント留置術による治療が不可能な70%以上狭窄3例, 90%以上狭窄14例で, 男性71例, 女性17例, 年齢は49歳から77歳, 平均65.5歳であった.