胃癌穿孔例の臨床病理学的特徴と予後

胃癌穿孔は胃癌全体に占める割合は1%以下とまれであるが,胃穿孔症例のうち胃癌穿孔症例の占める割合は約30%と多く,胃穿孔では胃癌穿孔に留意した治療が必要である。胃癌穿孔では術中に診断できることは少なく,術中内視鏡検査や迅速病理検査などの対策が必要である。胃癌穿孔では非穿孔胃癌と比較して予後不良であるが,早期癌で根治手術が行われた場合には,非穿孔例と匹敵する予後が期待できる。また手術術式については,全身状態を考慮した適切な術式選択をする必要があり,場合によっては内視鏡外科手技を取り入れた二期的手術も考慮すべきであろう。...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 30; no. 5; pp. 647 - 650
Main Authors 辻本, 広紀, 小野, 聡, 平木, 修一, 坂本, 直子, 矢口, 義久, 山本, 順司, 長谷, 和生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2010
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Summary:胃癌穿孔は胃癌全体に占める割合は1%以下とまれであるが,胃穿孔症例のうち胃癌穿孔症例の占める割合は約30%と多く,胃穿孔では胃癌穿孔に留意した治療が必要である。胃癌穿孔では術中に診断できることは少なく,術中内視鏡検査や迅速病理検査などの対策が必要である。胃癌穿孔では非穿孔胃癌と比較して予後不良であるが,早期癌で根治手術が行われた場合には,非穿孔例と匹敵する予後が期待できる。また手術術式については,全身状態を考慮した適切な術式選択をする必要があり,場合によっては内視鏡外科手技を取り入れた二期的手術も考慮すべきであろう。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.30.647