特定保健指導の積極的支援対象者が初めての積極的支援を終了した過程 健康認識と行動の変容に焦点をあてて

目的:特定保健指導の積極的支援対象者が,初めての積極的支援を利用し半年間の指導を終了した過程を明らかにする.方法:関東の2健診施設にて積極的支援を終了し半年以内の13名に,属性等の情報収集,半構造化面接を1回実施した.逐語録を作成,特定保健指導を利用することを決意し,終了に至る過程を表す言葉や単語から質的帰納的分析を行った.結果:特定保健指導を終了した過程として,【支障を感じない現状の生活】,【自覚はしている身体の変調】,【身体の変調を改善するために特定保健指導に取り組む決意をする】,【目標達成への道しるべとなった医療者とのやりとり】,【特定保健指導を契機に変わっていく心構え】,【試行錯誤を重...

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Published in人間ドック Vol. 34; no. 3; pp. 497 - 505
Main Authors 細坂, 泰子, 佐藤, さとみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2019
日本人間ドック学会
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ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock.34.497

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Summary:目的:特定保健指導の積極的支援対象者が,初めての積極的支援を利用し半年間の指導を終了した過程を明らかにする.方法:関東の2健診施設にて積極的支援を終了し半年以内の13名に,属性等の情報収集,半構造化面接を1回実施した.逐語録を作成,特定保健指導を利用することを決意し,終了に至る過程を表す言葉や単語から質的帰納的分析を行った.結果:特定保健指導を終了した過程として,【支障を感じない現状の生活】,【自覚はしている身体の変調】,【身体の変調を改善するために特定保健指導に取り組む決意をする】,【目標達成への道しるべとなった医療者とのやりとり】,【特定保健指導を契機に変わっていく心構え】,【試行錯誤を重ねつつ自分にあったやり方を見出す】,【終了したことでの緩みがありつつも,根付き始める新しい生活と健康への向き合い方】が抽出され,すべての根底に【自分の生き方を貫けるよう,健康を整える力を養い続ける】というカテゴリーが抽出された.結論:本研究参加者は,現状の生活に支障を感じはしないが,身体の変調を自覚することで特定保健指導に取り組む決意をしていた.さらに,気持ちの揺らぎを感じつつも医療者とのやりとりや,元々研究参加者が持っている健康を整える力によって自分に合ったやり方を見出し,終了後も新しい生活と健康への向き合い方が根付き始めていた.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock.34.497