IIIb型膵損傷例の診断・治療方針
主膵管損傷に対する治療は膵切除または再建が確実であるが,日本外傷学会分類IIIb型に対する治療法はいまだ確立していない。当院と関連施設で28年間に経験したIIIb型膵損傷は14例。緊急ERPを10例(1例は術中)に施行した。治療法は膵頭十二指腸切除5例,体尾部切除3例,Letton & Wilson法3例,主膵管縫合,ドレナージ,ステント治療が各1例であった。手術関連死亡は初期に経験した1例のみであり,満足いく結果であった。術式決定のために,確実な主膵管の評価が重要でありERPが有用である。症例によっては,内視鏡的ステント留置により手術を回避できる場合もあり,今後ますますERPの重要性...
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Published in | Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 31; no. 6; pp. 889 - 894 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
2011
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.31.889 |
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Summary: | 主膵管損傷に対する治療は膵切除または再建が確実であるが,日本外傷学会分類IIIb型に対する治療法はいまだ確立していない。当院と関連施設で28年間に経験したIIIb型膵損傷は14例。緊急ERPを10例(1例は術中)に施行した。治療法は膵頭十二指腸切除5例,体尾部切除3例,Letton & Wilson法3例,主膵管縫合,ドレナージ,ステント治療が各1例であった。手術関連死亡は初期に経験した1例のみであり,満足いく結果であった。術式決定のために,確実な主膵管の評価が重要でありERPが有用である。症例によっては,内視鏡的ステント留置により手術を回避できる場合もあり,今後ますますERPの重要性は増してくるであろう。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.31.889 |