鈍的重症肝損傷に対するTAEの有用性

鈍的肝損傷に対して独自のプロトコールに則って治療を行い,重症例における治療成績や予後,合併症を検討した。対象:2005年1月から2010年3月に当院で加療された鈍的肝損傷のうち,以下の条件を満たす57例。条件:{循環動態不安定}or{日本外傷学会分類Ib,III型}or{CTで造影剤の血管外漏出像あり}。プロトコール:non responderかつFAST陽性例は緊急開腹手術,それ以外はCTにて前述の所見を認めた場合血管造影を施行。血管外漏出を認めた場合TAE,認めなかった場合には保存的治療とした。結果:緊急開腹手術は7例,うち1例は死亡した。NOMは49例(TAE 27例を含む)で開腹手術へ...

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Published inNihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 31; no. 4; pp. 613 - 617
Main Authors 片岡, 祐一, 山谷, 立大, 相馬, 一亥, 西巻, 博, 樫見, 文枝, 神應, 知道, ウッドハムス, 玲子, 松永, 敬二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2011
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.31.613

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Summary:鈍的肝損傷に対して独自のプロトコールに則って治療を行い,重症例における治療成績や予後,合併症を検討した。対象:2005年1月から2010年3月に当院で加療された鈍的肝損傷のうち,以下の条件を満たす57例。条件:{循環動態不安定}or{日本外傷学会分類Ib,III型}or{CTで造影剤の血管外漏出像あり}。プロトコール:non responderかつFAST陽性例は緊急開腹手術,それ以外はCTにて前述の所見を認めた場合血管造影を施行。血管外漏出を認めた場合TAE,認めなかった場合には保存的治療とした。結果:緊急開腹手術は7例,うち1例は死亡した。NOMは49例(TAE 27例を含む)で開腹手術へ転換した症例はなく,肝損傷関連死亡はなかった。NOMの合併症で手術が必要となった症例はなかった。結論:鈍的肝損傷ではnon responderでなければ肝損傷形態にかかわらず,NOMが可能である。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.31.613