孤立性胃静脈瘤に対する内視鏡治療法の選択

孤立性胃静脈瘤(Lg)破裂は多量の出血をきたし,出血死あるいは二次性肝不全の危険性が高く,緊急例のみならず予防的にも治療が行われることが多い。治療法には内視鏡的硬化療法(endoscopic injection sclerotherapy : EIS)やバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓療法(balloon-occluded retrograde transvenous obliteration : B-RTO)を中心としたinterventional radiology(IVR)などがあげられ,良好な成績が報告されている。Lgに対するEISは,組織接着剤であるhistoacrylやα-cyan...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 29; no. 7; pp. 973 - 979
Main Authors 渋川, 悟朗, 小原, 勝敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2009
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Summary:孤立性胃静脈瘤(Lg)破裂は多量の出血をきたし,出血死あるいは二次性肝不全の危険性が高く,緊急例のみならず予防的にも治療が行われることが多い。治療法には内視鏡的硬化療法(endoscopic injection sclerotherapy : EIS)やバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓療法(balloon-occluded retrograde transvenous obliteration : B-RTO)を中心としたinterventional radiology(IVR)などがあげられ,良好な成績が報告されている。Lgに対するEISは,組織接着剤であるhistoacrylやα-cyanoacrylate monomer(CA)の導入によりLg出血は止血可能となり,その後ethanolamine oleate(EO)と無水エタノール(ethanol : ET)を併用したEO/ET/CA併用法の導入で予防例に対しても内視鏡的に完全治療が可能となった。本稿では,Lgに対する内視鏡的治療法の選択と治療法選択のために必要な術前検査について述べる。また,Lgに対するCA注入法施行に関する実際の治療手技,手技のコツ,偶発症対策についても説明する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.29.973