パーキンソン病における脊椎バランス,骨格筋量の特徴―パーキンソン病患者データベースから

はじめに:パーキンソン病(PD)における姿勢異常は機序が不明で特徴も詳細には分かっていない.当施設ではPD患者のデータベース(DB)を構築しており,PD患者における脊椎バランスと骨格筋量の特徴につき調査した.対象と方法:DB登録されたPD患者426名のうち42名を解析した.検討項目は全脊柱レントゲンによる脊椎アライメント評価,全身DXA法による骨格筋量評価を行った.結果:PD罹病期間は9.1±5.0年で,Yahr分類はI度:1名,II度16名,III度17名,IV度6名,V度2名であった.脊椎アライメントはC7-CSVL高値,C7-SVA高値,PI-LLミスマッチ,胸椎過後弯,T1 slope...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 16; no. 1; pp. 2 - 8
Main Authors 山岡, 朗子, 松井, 寛樹, 竹市, 陽介, 酒井, 義人, 新畑, 豊, 長田, 直祥
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.01.2025
日本脊椎脊髄病学会
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Summary:はじめに:パーキンソン病(PD)における姿勢異常は機序が不明で特徴も詳細には分かっていない.当施設ではPD患者のデータベース(DB)を構築しており,PD患者における脊椎バランスと骨格筋量の特徴につき調査した.対象と方法:DB登録されたPD患者426名のうち42名を解析した.検討項目は全脊柱レントゲンによる脊椎アライメント評価,全身DXA法による骨格筋量評価を行った.結果:PD罹病期間は9.1±5.0年で,Yahr分類はI度:1名,II度16名,III度17名,IV度6名,V度2名であった.脊椎アライメントはC7-CSVL高値,C7-SVA高値,PI-LLミスマッチ,胸椎過後弯,T1 slopeの上昇を認め,高度バランス不良は45.2%と高率で,病期進行とともに悪化する傾向にあった.筋量サルコペニアの有病率は38.1%でYahr III以上では48.0%と高率であった.結語:PD患者は冠状面,矢状面バランスが高度不良で,重症度とともに脊椎バランス不良となる傾向にあること,サルコペニアの有病率が高く,姿勢異常や脊椎バランスに関与する可能性がある.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2023-0037